■なぜ、着物でお稽古をするのか

茶道の点前作法は着るものによって変わるものではありませんが、茶室が日本間で、畳に座ったり、にじったりする動作があること、そして茶室を舞台として道具を組み、そこで人も含めて美が作り上げられていくのです。そのため、茶室に最もふさわしいのは着物姿なのです。そして、茶道を習っていくうちに、「構え」「立ち居振る舞い」が大切なポイントになることに気が付くでしょう。その基本中の基本をしっかりと身につけることこそが重要なのです。だからこそ、普段のお稽古を着物で行うことこそが、茶道の上達の秘訣となります。

 

■お道具を持つ位置

道具を持つ位置は低すぎても高すぎても不安定なものです。軽いものも重いものも、自然にしっかりと安定した姿勢と位置で持てるようになりたいですね。道具を持つ位置は、基本的に胸の高さです。ですので、帯の一番上のあたりを目安にするとよいでしょう。日ごろから自分の定位置を身につけておきたいものです。

 

■足の運び

基本的に畳一畳を4歩で歩きます。畳のへりを踏まないように、と注意を促されることが多々ありますが、着物を着ていればこそ、その歩幅がだんだんと身についてきます。そして、歩き方はかかとを畳からあまり離さないように、つま先を少し上げ気味に、ややすり足気味で歩けば、着物の裾裁きも美しく見えますよ。

 

■袂に気を付ける

洋服とは異なり、着物には袂があります。普段から着物に着慣れていないと、この袂の扱いに困ることがあります。だからこそ、着物を着て柄杓などを構える位置、建水を引く位置を自然と覚えることが大切です。その積み重ねこそ、美しいお点前への近道なのです。

 

■膝頭を押さえる

棗や茶杓などを片手に持ったまま、体の向きを変える時、必ずもう片方の手で膝頭を押さえます。これは、回っているに着物がはだけないようにするためのものです。かといって、着物の端を引っ張るようなことはしません。

 

■懐中する(客)

懐には体に近い方から、懐紙、古帛紗、帛紗の順番に重ねます。この時、帛紗などが見えすぎるのは美しくありませんので、帛紗や懐紙の角が少し見える程度まで、懐の中に入れます。また、扇子は体の左脇の近く、帯にまっすく差します。ただし、骨の部分か時紙の部分のどちらかが正面を向きます。

 

■帛紗を腰につける(亭主、手前)

亭主の証である帛紗は、扇子を差した位置、左脇のちかく、手前中、無理せず帛紗を外せる位置に帯揚げも含めて、帛紗の角を差し込みます。この時、できるだけ帛紗の底辺が帯と水になるように心がけます。