■お茶会

茶事・茶会は晴れやかなものから厳かなもの、気軽な茶会、正式な茶事など趣向は様々です。季節や趣向などのTPOに合わせた着物、帯を選びましょう。自分の好きな着物を着ることはもちろんですが、柄選びでは茶道具の柄や茶花、茶席にあるものと重ならないように気をつけましょう。また、奇抜すぎる柄も避けた方がよいです。こういった茶会に行くと、様々な取り合わせを目にすることができますので、そちらも楽しみにしてみてはいかがでしょうか。

 

■初茶会

年の初めに社中が揃って祝う華やかな初茶会。一年間、社中一同が無事に稽古に励めるようにと願い、茶を喫する大切な節目の行事です。最近はホテルなどで初茶会を催されることも多くなりましたので、普段は茶席に振袖を着ることはありませんが、この時ばかりは新年を祝うおめでたい席ですので、若いからは振袖を着て、艶やかに彩りましょう。男性は許しのある方は十徳を着用しますが、それ以外の方は袴をつけます、仙台平のような縞目のあるものが第一ですが、なければ無地でも構いません。また、訪問着なども普段の茶席よりも華やかでおめでたいものを選ぶとよいでしょう。

 

■正午の茶事 初風炉

茶事とは、普段のお稽古の集大成ともいえる、本来の茶の湯の形です。茶事には趣向に応じて色々なものがありますが、正午の茶事・朝茶事・夜咄の茶事・暁の茶事・飯後の茶事・跡見の茶事・不時の茶事の「茶事七式」と言われるものがあり、様々な茶事はこれら七式に従って行われます。そしてその中でも、正式で厳格なものが正午の茶事であり、茶事の基本なのです。茶事での装いは、格調高くかつ奥ゆかしく装うことが大切です。茶事は小間行われることが多いので、色柄の派手なものは避けます。亭主側は紋付の着物に袋帯、客側も亭主に敬意を払い紋付の着物がよいでしょう。

 

■春のお茶会

気候も良く、桜をはじめとする様々な花が一斉に咲き始める春。陽気に誘われて出かけたくなる季節ですね。もちろん、お茶会の多くなるシーズンでもあります。茶室で行われるお茶会もありますし。野点で爽やかな風を感じながら頂くお茶もまた格別のものです。一口にお茶会といっても、市民茶会などの誰でも気軽に行ける大寄せ茶会もあれば、月釜などの茶道の心得がある方が多い茶会、気心知れた少人数だけのちゃぁおなど、趣向に応じてさまざまな形式がありますので、それぞれのTPOにあった装いをしましょう。とはいえ、春は晴れやかな気分になりますので、色合いも華やかめのものにするのも、よいのではないでしょうか。

 

■納涼茶会

盛夏であればこそ、川のせせらぎを聞きながら、また夕暮れ時の風を感じながら一服のお茶をいただくことで、清涼感を感じることができます。冷房が完備されている昨今では、外に出るとただただ暑いだけですが、水辺からただよってくる風に涼を求め、茶席にしつらえられた見た目に涼やかなお道具を楽しみに、お茶会へ出かけるのも粋な楽しみです。夏の着物にも上布や縮みなどの織の着物もありますが、織りに比べて後染めの着物の方が格が高くなるので、絽や紗の染めの着物の方がよりふさわしく、帯も同じく絽や紗の染めの着物がよりふさわしく、帯も同じく絽や紗また羅のもので清涼を第一に着こなします。そして、朝茶事などでは麻の着物で、すがすがしさをまとめってみましょう。

 

■祇園祭

京都の夏の行事と言えは祇園祭。毎年、菊水鉾ではお茶席が設けられ、観光客でも気軽にお茶を楽しむことができます。また、各地での夏祭りを趣向にしたお茶会でも、お点前やお運びの方々の側も浴衣姿でおもてなしをしてあげて、一層お祭りムードを盛り上げてみてはいかがでしょうか。若い方から年配の方まで、男女を問わず楽しみやすいゆかたは色柄も豊富で、帯も半幅帯から、夏の名古屋帯まで、合わせるもので表情は変わります。一般に浴衣では素足に下駄が定番のようなのですが、お茶席では足袋を忘れずに持って行きましょう。

 

■観月茶会

やっと暑さが一息ついたころに、夕日を愛でる観月のお茶会が生まれます。夕暮れ時から集まり、虫の音に耳を澄ませ、一碗のお茶を楽しみながら月が昇るのを待つ。そんなゆったりとした時間を過ごせるのは、茶の湯ならではです。九月は単衣の季節。春の単衣の時期に比べ、日差しが黄味を帯びてくるので、深い落ち着いた地色の色調の着物と帯で装えば、着映えがすることが間違いなしです。

 

■秋の茶会

秋も春と同様に様々な趣向のお茶会が催されます。菊見茶会に紅葉狩茶会、そして名残の茶会など、室内でのお茶席もあれば、野点で茶箱などを楽しむのもよいでしょう。十月に入れば、また袷の着物になります。やはりこの時期には秋らしいシックな色合いの着物を選べば、道具や周りの連客の方々との違和感がないでしょう。特に、晩秋に近づくほどに茶会の趣向も侘びたものになっていきますから、着物の生地も縮緬など光沢のあまりないものや色柄が大きすぎないようなものを選びましょう。

 

■偲ぶ会

お世話になった故人を偲んで、縁のあった方々が集まり、それぞれの胸に残っている思い出を語り合う、偲ぶ会。少人数のお茶会やお茶事でしめやかに行ったり、ホテルなどで大勢の方が集って行われることもあります。故人が亡くなられて間もない一周忌や三回忌などは、グレーや紺、鈍色などの紋付の着物に黒の帯を合わせることもありますが、年数がたてば落ち着いた色合いの色無地に銀糸などを使った帯を合わせ、しめやかな中にも、少し華を添えた装いをすれば奥ゆかしくかつ格調高い着こなしができます。このような時の着物には紋付であまり光沢のないものを選んだ方がよいでしょう。